きのう、TBSラジオの『永六輔の誰かとどこかで』、 久しぶりに聞いた。
『あれっ!何しゃべっているの? これ、永六輔の声?』
原宿の表参道のことや「春の小川」の話をしていたようだが、
正直・・・聞くに堪えない声だった。
去年、森光子の舞台を、博多座で見て、
「見るに堪えない演技だった」と女房が言っていた。
永六輔(今77歳)・・・世界的に有名な「上を向いて歩こう」の作詞家、他にも多くのすばらしい仕事を残している。
森光子(今89歳)・・・前人未踏2000回を超えたという、「放浪記」の舞台。
立派な実績を残した方々。大変に、失礼な言い方かもしれない。
だが、『もう、そろそろ、引いてもいいのでは・・・』と思ったのは、私だけだろうか。
「引き際の美学」という言葉がある。
スポットライトを浴びて喝采を受ける時期があり、
やがて、老いとともに、そのライトに堪えられない時が来る。
『もっと続けて欲しい』という気持ちはわかるのだけれど・・・。
引くべき時は間違えないほうがいい。
喝采が鳴り止まぬうちに、舞台を降りたほうがいい。
舞台を降りた後は、静かに、静かに、思索を深める時期を迎えたほうがいい。
肉体の老いを超えた、その先の、すばらしい『何か』をつかむために。