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今日は水圧のお話。
「太陽熱温水器を1階の屋根から2階の屋根に上げてもらいたいんですが・・・」
理由は次のようなことでした。
数年ぶりに実家に戻ることになった息子さんが、お湯を出そうとコックをひねるとチョロチョロとしか出ません。
シャワーにもならないので、シャワーヘッドを外してしまってあるとのこと。
太陽熱温水器を2階の屋根に上げたら、水圧が高くなるのでは、とのことでした。
伺って様子を見ました。水道の給水圧力は問題ありません。
お湯の場合は、太陽熱温水器に水を上げて、そのタンクにたまったお湯が、ボイラーにつながって出てきます。
夏場は太陽熱でお湯となり、冬場はボイラーで沸かしてお湯を出すという形です。
確かに、水圧はかなり低い状態でした。
当初「2階の屋根に上げても水圧はさほど変わらないのではないか」と考えていました。
というのは、今まで1階の屋根でも十分に水圧が確保できていた例が多かったからです。
太陽熱温水器は、いたってシンプルな構造です。故障は少なく、うまくメンテしている人は20年を超えています。
水道の水を温水器まで汲み上げます。この際は水道の圧力のみです。
汲み上げられた水は、ガラスを張った熱受け板を通して温められ、タンクに貯められます。
そのお湯が蛇口を通して台所やお風呂場で使えるというしくみです。
いろいろと検討してみました
・「つまり」ではないか
→数箇所フィルター部を外してゴミを除去したのですが、水圧は変わりません。
・シャワーヘッドを変えてみては
→チョロチョロですので、さほど効果はないようです。
・ボイラーの出口に加圧ポンプを取り付けてみては
→三相電機さんに相談してみました。ただ水圧の関係で、安全弁や空気抜き弁やバルブなどを設置する必要があるそうです。10万円以上の費用がかかります。
・ボイラーの減圧弁の影響ではないか
→計算してみました。
メーカによるとボイラーの減圧は約0,8㎏/㎡ぐらいに設定されているとのこと。
直径13㎜の管で太陽熱温水器(高さ約5m)からボイラーへは約0,4㎏/㎡。
温水器を2階に屋根に(高さ約8m)上げれば、約0,8㎏/㎡ぐらいまで上がりそうです。
2階の屋根に上げることは正解かもしれません。
お湯が出ない!
ということで、当初の依頼通りに2階の屋根に移設することになりました。
天気のいい日を選んで、配管の材料を用意して伺いました。
太陽熱温水器の水を抜き、分解して2階の屋根に上げました。しっかり固定した後、配管をつなぎます。
水道から水を揚げ、十分水を貯めたところで、お湯のコックをひねってみました。
「あれっ・・・」最初少し出ていたお湯が、出なくなってしまいました。
ボイラーへの接続部を外すと、上からの水が送られてきていないのがわかりました。配管は以前の倍以上の長さ(15m)になっています。
「エアーがかんでる」状態です。・・・困りました。エアー抜きの機械はありません。
意を決して、口をつけて水を吸い出すことにしました。人間エアー抜きです。
吸い続けること約3分。ドッと水が勢いよくでてきました。私の肺活量はまずまずだったようです。
以前に比べてかなり水圧は上がりました。
「その後、いかがですか?」
一週間ほどして電話してみました。
「あ~、おかげさまで水圧も高くなり、シャワーも使えます。調子いいですよ」とのこと。
やれやれ、今回も無事工事完了です。
参照→太陽熱温水器
写真はwikipediaからお借りしました。