今日は映画のお話
宮本信子主演伊丹十三監督の映画「マルサの女2」「ミンボーの女」を見ました。
BS2の映画特集です。
映画を見て、感動で心震えるという経験は、ここ最近してないのですが、
いやー、まいりました。ほんとうに参りました。
伊丹十三、スゴイですね。天才ですね。
映画という創作の世界とは言え、巨額の脱税、暴力団の実態、エセ宗教団体の実態、
宗教団体と政治家との不健全な結びつき、、、等等、
その世間の実態を綿密に取材して、調べ尽くして作られているのがよくわかります。
だからこそ、この映画を見て、「頭にきた」連中がいたのです。
「ミンボーの女」公開1週間後に自宅の近くで刃物を持った5人組に襲撃され、顔や両腕などに全治三ヶ月の重傷を負う事件があったが
「私はくじけない。映画で自由をつらぬく。」と宣言した。
警察は現場の車より山口組系後藤組の犯行であることを突き止め、5人の組員が4年から6年の懲役刑となった。(ウィキペディア)
伊丹十三はその後、「スーパーの女」(1996年)をつくり、で今旬の話題の、食品偽装の問題も取り上げています。
オウム真理教や創価学会をヒントに製作したと言われている「マルタイの女」を公開したのが1997年、
今からちょうど、10年前のことです。
その年の12月20日に、伊丹十三は、不可解な自殺を遂げ、64才の生涯を突然閉じてしまいます。
当時、多くのマスコミが報じたように、一部写真週刊誌の不倫報道などに屈して、自殺するような人だとは、私には思えないのですが、、、。
私たちの身近なところで起こっている問題に目をつけ、そこに鋭く切り込んで、そこから娯楽映画を作ってしまう。
世の中には、天才といわれる人はは存在します。伊丹十三はまさにその天才でした。日本にとって惜しい才能をなくしたものです。
元教祖の麻原彰晃にのみ責任が負わされて幕引きされそうなオウム真理教の事件。
プロに殺された手口が明らかなのに、自殺としか報道されなかった元ライブドア幹部の野口英昭氏。
暴力団からのお金のつながりがうわさされた堀江貴文氏。
マスコミが報道しなくなって、人々の意識の中から消え去りつつある事件が頭に浮かんできました。
伊丹十三が見事に描いた表面的なマスコミの報道からは覗けない世界が、実在することは間違いないようです。
ともあれ、明日の「スーパーの女」明後日の「マルタイの女」は、絶対 見なくっちゃ。